この建物は、三方を家に囲まれた細長い30坪の敷地に建つ、家族4人が暮らす延床面積29坪の家です。
唯一開かれた南側の2階の窓から光を採りこむために、LDKに吹抜けを設けました。
1階のLDKは、ペレットストーブを据えた玄関土間と繋がり、
小上がりの書斎や小下がりのキッチンを設けることにより、変化にとんだ空間となりました。
2階には、吹き抜けを中心に寝室やウォークインクローゼット、セカンドリビングとしても使えるフリールームを配置しています。
構造材は天然乾燥の吉野杉、吉野桧を熟練の大工が手刻みし、床は無垢材、壁は調湿性の高い湯布珪藻土で仕上げました。
この建物は、三方を家に囲まれた細長い30坪の敷地に建ち、唯一南側が開けています。
お施主様は、車をお持ちではないのですが、来客用の車が停められるように、玄関庇は梁を天秤に架けて張り伸ばし、それに桁を架け、ポーチ柱を省いています。
木製建具の玄関引き戸を開けると玄関土間が広がり、正面にペレットストーブが据えられています。
4畳の広さの玄関土間からLDKへと繋がります。
唯一開かれた南側の玄関土間には大開口があり、庭へと繋がっています。
またその大開口には、引き込み障子を設けました。
居間には畳敷きの「小上がり」があり、正面の壁面は出幅が500mmで天板がケヤキの一枚板の出窓です。そして段差を利用してお子様のおもちゃなどが収納できる引出も設けました。
小上がりの端は、掘り炬燵形式の書斎コーナーです。
お客様が泊まられた際には、4枚の襖で仕切ることができます。
居間で座卓を囲んで座してくつろがれることから、キッチンは圧迫感が感じられないように下げ「小下がり」としました。
またそのキッチンの前に杉の厚板のカウンターを設けました。
三方を家に囲まれているため、LDKに南側の2階の窓から光を採りこむための吹抜けを設けました。
キッチンに隣接する洗面脱衣場、洗面台と下着やタオルを入れる収納は造り付けです。
吹抜けの一部は、床として有効に利用できるように、角材を使った「すのこ」になっています。
「すのこ」の床から畳敷きの寝室に繋がります。
間仕切りの建具は3枚聞き込み式で解放的に使用できます。
畳敷きの寝室と「すのこ」の床から続く、セカンドリビングとしても使えるフリースペースです。
将来、家具で仕切ることができる子供室。
さほど広くない敷地の中でお施主様のご要望をできるだけ取り入れながら、建築的工夫と遊び心も備えたこのお宅、今後どのように住み暮らしていかれるか楽しみです。