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吉野の製材所さんとの協働の家

 

「吉野の製材所さんとの協働の家」

竣工:2018年1月
延床面積:117.9㎡(35.7坪)

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この建物は、ツキデ工務店に吉野材を供給して頂いている吉野の製材所である「吉野中央木材」の専務さんの家です。自社製材の吉野杉・桧をふんだんに使い、製材所さんと協働し熟練の大工・職人たちと造りました。 この建物は、もちろん専務さん家族が快適に住まう家であるわけですが、それと共に吉野の杉・桧の使われ方を見ていただき、材の特徴と素晴らしさを広く知っていただくことも目的の一つです。 そのために今回、大きくは二つの棟に分け仕上げ方を変え造りました。
まず一つの棟は、日本有数の良材と言われる吉野杉の特徴である年輪が緻密で色艶の良さを活かした玄関棟と和室。そしてもう一つの棟は、百~二百数十年生の杉の梁と桧の柱を「あらわし」にし力強く見せ、家族が快適に暮らせる生活棟です。

玄関棟は、幅広の赤身の杉板や赤杉・磨き丸太を使い、繊細な数寄屋風に仕上げました。 玄関正面の壁は、柱が内外とも見える「真壁」とし漆喰で仕上げ、建具・格子は桧の赤身を使用しています。

玄関棟の垂木は、「化粧垂木」と本来の屋根下地である「野垂木」の「二重垂木」構造で、 化粧垂木は玄関内にも延び、それに幅7寸(210mm)厚み4分(12mm)の「赤身の中杢」の杉板を「目透し」にして張っています。

玄関棟は、幅広の赤身の杉板や赤杉・磨き丸太を使い、繊細な数寄屋風に仕上げました。 玄関正面の壁は、柱が内外とも見える「真壁」とし漆喰で仕上げ、建具・格子は桧の赤身を使用しています。

変形した玄関棟の土間の奥に専務さんの仕事コーナーがあります。

引き戸を赤杉の板を薄く挽いてはぎ合わせ造った吉野杉ならではの下駄箱。
吉野の家具屋さんが製作してくれました。

玄関ホール正面の雪見障子を設けたガラス窓から吉野の庭師さん作庭の坪庭が楽しめます。またこの庭は風呂場・トイレ・仕事コーナーの三方から眺められます。

玄関を入って右手に設けた6畳の和室。襖紙は吉野の楮の手漉き和紙「宇陀紙」で仕上げました。

天井は、約30mmの赤杉の柾材を本を開く様に割り、はぎ合わす「ブックマッチ」手法で左右対称にし一枚板に見えるように幅240mm厚み12mmの天井板をつくり、天井中央に杉の「磨き丸太」に渡し張りました。まさに吉野杉の特徴である緻密で目が通った材でなければなせない技です。

もう一つの生活棟の和室と繋がる広々としたリビング・ダイニング。 こちらは、吉野桧の180mm角の大黒柱を中心に据え、吉野杉と桧で組んだ力強い骨組みです。

矩形の敷地に対し約40度建物を振った関係で三角の敷地空間ができ、南側・東側に設けた庭が対角線上にのび居間からの眺めが広く感じられます。

南側と東側の大きな開口部に引き込み障子を設けました。

キッチン前の配膳カウンターの開口部は必要に応じて開け閉めできます。

床・壁・天上が節ありの総桧張りの洗濯・物干しができる製材所さんの家ならではの家事室。 台所・洗面脱衣場・家事室と回遊できる家事動線です。

赤身の杉板で壁と収納の建具を仕上げたトイレ。その他の壁・天井は珪藻土仕上げです。

将来、必要に応じて二つの部屋に仕切れる子供室。天井は、杉の源平(赤白)の板張り。 東側には奥行きのある大きなベランダを設けました。

2階納戸に隣接して設けた3帖の着物の着付けのための部屋。吉野の手漉き和紙「宇陀紙」を張った筒はパッシブソーラーシステム「そよ風」の立下りダクトです。

階段ホールに設けた本棚兼用の手すり。

今回の建物は、吉野の手漉き和紙・家具屋さん・庭師さんそして照明と吉野の仲間の職人さんデザイナーさん達が協力し協働で出来上がった家でもあります。 皆さん吉野ならではの特徴を活かし、吉野を盛り上げようと活動されている仲間達です。

吉野材を使った家づくりをしている「ツキデ工務店」と「吉野の山」とは共存共栄の関係にあります。そのためにも吉野の仲間と共に吉野材普及のために尽力したいと思います。 最後に、吉野中央木材の事務員さんが見学会のために活けてくれた花。